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AIと発明と特許

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近年目まぐるしく発展・成長を続けるAI技術。AI生成を用いてコンテンツを制作するようなケースも多くなっています。このページでは、「AIによる発明が特許権として認められるのか」について解説します。

現行法はAIを発明者と認めない

実際にAIの発明を特許として認めるかどうかが争点になった訴訟事例があります。この訴訟事例では東京地裁が米国在住の出願人の請求を棄却し、「発明者は人間に限られる」という判決を下しています。

その東京地裁は「現行法ではAIによる発明は想定されておらず、民主的議論を経て制度設計を進める必要がある」とも指摘しています。AIを開発者と認めると権利関係などでさまざまな問題が生じることが想定されるため、深い議論と検討が必要です。

AI支援発明は特許が取れる

「発明者は自然人(人間)に限られる」という特許の原則があることから前述のような判決事例が下っているわけですが、「AI支援発明」であれば特許を取得できる可能性があります。

「AI支援発明」とはAIがした発明ではなく生成AIによる支援を受けた発明のことをいい、一般的には2つの出願方式が考えられます。

1つは「AIによる支援を得て得られたもの、またはプロセスなどの生成物」を対象とする特許出願であり、もう1つは「当該生成物を生成するためのAIの利用方法」を対象とする特許出願です。

具体的に出願された事例を2つ紹介していきます。

IBMの抗菌ペプチド

IBMではAIを用いた抗菌ペプチドの開発を行っており、生成物の特許として米国特許を取得しています。
また、精製方法としての特許出願も行っています。

特許出願においてはビジネスや権利行使面などを考慮しさまざまな出願方式を採用することができますが、AI生成物とAI利用方法の双方を一つにまとめるハイブリッド型がコスト面で有利であるとされています。

Callaway Golfのゴルフクラブの設計

Callaway Golfではゴルフクラブの設計にAIを用いており、ゴルフクラブヘッド内に設けられるプレートの厚さを人工知能や機械学習で設計する方法が、米国特許として公開されています。

さらに生成物そのものではありませんが、ゴルフクラブの製造方法に関する特許も出願されています。こういった機械分野でもAI支援発明は活用されており、AIによる設計方法やAIにより設計されたクラブヘッドの製造方法についての権利化も狙っています。

まとめ

現行法ではAIによる発明が想定されていないことから、AIを活用した特許取得に関してはさまざまな工夫が必要になります。さまざまな事例を知っておくことで、自社への応用が可能になるかもしれません。最新の動向に注目し、情報を常に更新していきましょう。