著作権法は、創作物とその作者の権利を保護することで創作活動を促しつつ、それら創作物を広く一般に共有、または利用をさせて文化の発展に寄与することを目的とした(著作権法(以下「法」)第1条)法律であり、知的財産法の一つです。
印刷技術の発展により他者の創作物の複製や丸写し(フリーライド)が簡単になりましたが、これを放置すると創作者が創作意欲を失い、文化の衰退へと繋がるため、一定の規制が必要になったという経緯があります。
法が保護するものは「思想又は感情を創作的に表現した(法第2条1項1号)」著作物を創作した著作者と、一部著作物に隣接する者の権利です。著作物の代表的なものは音楽、文学、美術などで、隣接権としては実演家や放送事業者などの権利があります。
著作権の、特許権などの他の知的財産権との大きな違いは2つあります。一つは制度の目的が「産業」ではなく「文化」の発展に寄与すること、もう一つは登録などの手続きが不要で、創作物ができた時点で自動的に権利が発生することです(著作権にも登録制度自体はありますが、あまり利用されていません。)。
著作者は、自身の著作権を侵害されたときには他の知的財産権同様侵害の差止請求(法第112条)や、侵害で被った損害の賠償請求(民法第709条)ができます。ただし登録不要の無方式主義であるため、当該創作物が「著作物」であり、自身が「著作者」であると証明することが必要です。
著作物はその形態によりさまざまな利用方法があり、著作者はその利用を他者に許諾することができます。例えば小説の著作者は、小説の出版(法第21条)、実写化(法第27条)やその配信(法第23条)などの権利を許諾又は譲渡して利益を得ることが可能といった具合です。
そこで、ある著作物を活用したいと考えたら、まず活動の内容ごとに著作者に対し利用許諾または権利の譲渡を得ることが必要です。昨今のネット社会では誰もが情報の発信も受信も気軽に行えますが、その情報が「著作物」である場合、その著作者が著作権フリーを公言していない限り、当該情報を自分のものとして発信することが許されないことはもちろん、著作者名を付したとしても「引用(法第32条)」と認められる範囲を超えて勝手に利用することはできません。
利用許諾や権利譲渡の契約の際には、著作者から著作者人格権(法18~20条)を行使しない旨規定しておきましょう。著作者人格権は譲渡ができないからです。ただし、不行使規定を入れたとしても、人格権の扱いには十分注意することが大切です。
著作権法違反は犯罪であり、10年以下の懲役もしくは1000万円(対会社には3億円)以下の罰金、またはその両方が科せられることがあります(法第119条)。さらに損害賠償も求められ、海賊版サイト「漫画村」事件で、17億円もの賠償命令が命じられたこと(2024年4月18日東京地裁)は記憶に新しいところです。決して軽い気持ちで行えるものではありません。
著作権を侵害されたときはまず証拠をしっかり揃えてから相手方に差し止めや賠償を直接求め、話し合いが決裂した場合は裁判での決着を図ることになります。くれぐれも怒りにまかせて証拠も揃えずいきなりSNSなどで侵害された!と発信しないようにしましょう。
著作権法は、文化の発展と創作活動の保護を両立するために生まれた法律です。しかし現代のビジネスや研究現場では、著作権だけでなく、特許・意匠・商標・不正競争防止法など、さまざまな知的財産法が複雑に絡み合います。さらに、それらを扱う際には契約・紛争・交渉といった「法務」の観点も不可欠です。
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