弁護士法人 内田・
鮫島法律事務所とは
スタートアップの企業価値向上のための 「技術法務」ナビ » 知財戦略にかかる権利と法律 » 実用新案権

実用新案権

このメディアは 弁護士法人内田・鮫島法律事務所をスポンサーとして、Zenken株式会社が運営しています。
目次

実用新案権とはどのような法律か、その目的は?

「実用新案権」は、物品の形状や構造、組み合わせについての「考案」を保護するための権利です。簡単にいうと、実用新案とは、産業上で役に立ったり、日常生活がより便利になったりする「ちょっとした発明」を保護するために設けられた法律です。

実用新案権で保護される対象

実用新案法においては、物品の形状、構造または組み合わせに係る考案を保護対象としています。ここでいう「考案」とは、「自然法則を利用した技術的思想の創作」を意味します。(実用新案法2条1項)実用新案権の存続期間は、実用新案登録出願の日から10年間となっています。(実用新案法15条)

特許法とはどう違うのか、と感じる人もいるかもしれませんが、特許法の場合は「技術的思想の創作のうち高度のもの」を発明と定義し、保護の対象としています。(特許法2条1項)しかし、実用新案法の場合は、「物品の形状、構造又は組合せに係る考案」を保護対象としており、高度である必要はないため幅広い「考案」が保護されます。

実用新案権違反による措置

実用新案権を侵害された場合は、その侵害者に対して製造や販売などの侵害行為の差し止め請求を行えます。この時、差し止め請求と同時に、既に製造されている侵害品の廃棄を求めることも可能です。これを「除却請求」といいます。

また、権利の侵害によって損害を受けた場合には損害賠償請求を行えます。損害賠償請求とあわせ、謝罪広告を掲載するといったように、信用回復のための対応の請求もできます。ただし、損害賠償請求を行うにあたっては、侵害者が権利を侵害したことを知っていた(故意)、または不注意で知らなかった(過失)点を証明することが必要となります。

企業における注意点

権利を侵害された場合には差し止め請求や損害賠償請求を行えると解説しましたが、権利者はより慎重な判断のもとで権利の行使をすることが求められます。そのため、権利が侵害されているために差し止めや損害賠償を行おうとする際には、事前に特許庁から実用新案技術評価書を取り寄せ、警告を行う必要があります。

さらに、権利者に対しては高度の注意義務が課されます。もし無効審決が確定した場合には、権利者が無過失である点を立証しない限りは損害賠償責任を負うことになる点にも注意が必要です。

実用新案権の活用とリスク管理を支援する
実践的な技術法務

実用新案権は、物品の形状や構造、組み合わせに関する「ちょっとした発明=考案」を保護するための権利です。
特許権に比べて取得のハードルが低く、スピーディーに権利化できる一方で、実用新案技術評価書の取得や権利行使時の注意義務など、実務上の留意点も多いのが特徴です。

企業活動においては、実用新案権を戦略的に活用しながらも、侵害リスクへの対応や無効リスクへの備えが不可欠です。こうした複雑な場面で力を発揮するのが、知財と法務の両面から支援する「技術法務」です。

「技術法務」とは、弁護士法人内田・鮫島法律事務所の代表弁護士であり、弁理士資格も持つ鮫島正洋氏が2004年に提唱した考え方です。「技術法務」は多角的な視点から技術とビジネスを支え、企業の価値最大化をサポートします。